リメンバランス・デー

poppy

 

(Photo credit: striatic)

毎年11月11日はカナダを含む英連邦の国々ではリメンバランス・デーとなり、祝日となっています。(オンタリオ、ノバスコシア、ケベックを除く)第一次世界大戦の戦没者追悼記念日として、毎年各地で慰霊行事が行われます。

特に10月後半頃から、カナダでは胸に赤いポピー(芥子の花)をつけている人を沢山見かけるようになります。これは、日本の赤い羽根募金のように、街頭で募金をするともらえるもので、退役軍人への感謝、貢献、サポートを表し、募金は退役軍人とその家族の為に使われます。

それでは何故ポピーなのでしょうか?

ポピーの由来は、オンタリオ州グエルフ出身の軍人、ジョン・マクレーの詩にあります。詩人でもあったマクレーは、ベルギーのフランダース戦地に軍医として滞在していましたが、敵からの攻撃で親しい友人を亡くしたマクレーは、自ら友人を弔い、埋葬地にいっせいに咲き乱れるポピーの花をみて「フランダースの野に」という詩をしたためました。

In Flanders fields the poppies blow
Between the crosses, row on row,
That mark our place; and in the sky
The larks, still bravely singing, fly
Scarce heard amid the guns below.

We are the Dead. Short days ago
We lived, felt dawn, saw sunset glow,
Loved and were loved, and now we lie
In Flanders fields.

Take up our quarrel with the foe:
To you from failing hands we throw
The torch; be yours to hold it high.
If ye break faith with us who die
We shall not sleep, though poppies grow
In Flanders fields.

フランダースの野に

フランダースの野に芥子の花がそよぐ
列また列と並ぶ十字架
僕たちの場所と印された十字架の野に。
そして空には、勇敢にも歌いながらひばりが飛ぶ、
砲音の真っ只中その声はかき消されて

僕らは死者、昨日まで生きていたのだ
曙を感じ、夕日が輝くのを見ていた
愛し、愛されてもいた。そして今ここに横たわる
フランダースの野に。

僕らの戦いを続けてくれ
倒れながら、君たちにたいまつを投げ渡そう
君たちの手で高く掲げてくれ。
死ぬ僕らの信頼を裏切るなら、僕らは眠れない
どんなに芥子の花が育とうと、ここ
フランダースの野に。

(日本語訳:イシュトクさちこ)

戦争の虚しさを伝えるもの哀しくも、美しい詩ですよね。マクレーのこの詩はおそらくカナダで最も良く知られた詩といえるでしょう。

また、リメンバランス・デーでよく聞くフレーズが「Lest We Forget」- 私たちは忘れない、という意味で、二度と同じようなあやまちを繰り返さない、という意味で使われます。

日本の終戦記念日と同じで、過去に思いを馳せる、厳粛な祝日と言えるでしょう。