ブッチャートガーデンといえば、ビクトリアで最も有名な観光地として知られています。ダウンタウンから車で約30分ほどの場所にあるこの庭園ですが、ビクトリアに住んでいる人間としては、「いちど行けば十分」な場所と思われがちですが、、、先日、ブッチャートガーデンで働いている友人のスコットさんに誘われて、久しぶりに遊びに行ってきました。
ブッチャートガーデンは、セメント工場へ供給する石灰岩の採石ビジネスをしていたブッチャート氏の妻、ジェニー・ブッチャートが、採石跡地を美化する為に細々と始めた庭園がはじまりです。彼女の庭園は地元の評判になり、最初は家族や知人だけだったものが、そのうち沢山のゲストが、彼女の庭園を一目見ようと訪れるようになりました。話によるとこのブッチャート夫妻は非常におもてなしの心が広い人達だったようで、夫妻は庭園を見に訪れる全ての人達に紅茶をだすようになり、1915年だけでもなんと1万8000人(!!!)に紅茶を出したのだそうです。ここからブッチャートガーデンでのアフタヌーンティーの伝統が始まりました。
この日は私もアフタヌーンティーを頂いてきましたが、このレストランに使われているのがブッチャート一家が実際に住んでいた家で、ビデオにも写っているブレックファスト・ルームは壁紙から照明からすべて当時のままだそうです。
ティーの後は庭内を散策しましたが、この時期はやはり紅葉が素晴らしく、特に日本庭園は息を飲むような美しさでした。
スコットさんとの散策の様子を写真を交えてビデオにしましたのでご覧下さい。
代々家族経営のブッチャートガーデンは、独自の整水システムを持ち、地元の自治体の水を一切使っていないそうです。植物の世話にものすごく水を使いますので、自治体に負担がかからないようにとの事。肥料などもすべて化学肥料は使わず、リサイクルしたりコンポストしたり、オーガニックの肥料を使っているとのこと。さらにすごいのは、ビクトリアで一番の観光地であるにも関わらず、国や州など政府からは一切援助を受けていないのだそうです。これは、地元の人の税金を使うのは良くないというブッチャート夫妻の方針だそうで、ガイドツアーを提供していなかったり、それぞれの植物の名前が明記されていないのも、これは楽しむための庭園であって、植物園ではない、あくまでこれはブッチャート家の庭園で、沢山の人に庭を楽しんでもらいたいだけなのだという夫妻のおもてなしの気持ちがよく現れていると思います。
もうすぐクリスマスのライトアップが始まるので、ビデオ途中に出てきますが、スタッフがクリスマスライトを取り付けているところもみかけました。ビクトリアに住んでいる人は是非また訪れてみて下さい。スコットさんによると、年間パスを買って毎シーズン写真を撮りに訪れる人が多いのだそうで、確かにそれは何度も来る価値があるなと納得しました。私もまたクリスマスの時期に家族を連れて行きたいです。